その凛とした強さに惹かれるのか？

なぜだかわからないが、私の友達には片親の子が多い。
特に大学以降に出会った友達にその傾向が強い。
なぜだろう？
もちろん両親が離婚した子もいるが、どちらかが亡くなってる子も何人かいる。

不思議。

家庭の事情とかそういう深い話って仲良くなって初めてするでしょ？
だから、余計にビックリする。

私は両親ともに健在だし。

振り返って考えてみると、大学の頃からは「この子と友達になりたい」と思った子と友達になってきた。
それまでは来るもの拒まず、去るもの追わず。自分から行動することはなかった。

ということは、私が「この子」と思った子が、そういう子だということだよね？
おそらく、いろんな経験をしてきてるから、歳の割に落ち着いてるところなんかに惹かれたんだろうなぁ。

親友のIちゃんも小さい頃に両親が離婚して、苦労してきている。
彼女が「私は普通に両親がいて幸せな家庭で育った人とは恐れ多くて結婚できない」なんていうことを口にすると悲しくなってしまう。

でも深い根の部分では、私は彼女のことを分かってあげられないと思う。
だって、彼女のような苦労をしてきてないし。

何を言っても私が彼女のような人生を歩いてきていないのだから、上辺だけの言葉になってしまう気がして、上手く言えない。

「親が離婚してるからって、自分が結婚して幸せになれないことはないでしょ。逆に、自分の家庭こそは愛に満ちあふれたものにしようと思えない？」
なんて言うけど、重みがない。

彼女は母親と別れて生活してきたために、暖かく包まれるような愛情を感じたことがない。
だから大人の女性に優しくされるとどういう態度を取ったらいいのかわからなくなってしまうらしい。

彼女の後輩のお母さんが、とっても女性らしい素敵な方だったという話をしてくれた。
おうちに招かれた時、彼女のために庭にハーブを摘みに行き、ハーブティーを入れてくれ、手作りパンでもてなして下さったらしい。

その日、彼女は家に帰りひとりで泣いたと言っていた。
「あーお母さんってこういうものなんだぁ」と思ったって。

彼女には早く幸せになってほしい。ホントにそう思う。
でもそういう彼女だから、同年代の男では相手にならない。
いつも優しそうなすごく年上のおじさまを好きになる。
もちろん相手は家庭のある人。

今はそういうおじさまもいない。

人を好きになるっていうことが億劫だと。

会えばいつも怒ってしまう。
「そんなんじゃ、いつまでたっても一人だよ」って。

もっと上手に表現したい。
心を動かせるように。
氷を溶かすように。

なんて無能なんだろう。